熊さとの戯言

自分の体験などを雑記帳・備忘録として

オーガ・バスターズ 第69話

第69話 準備

 

鎹烏と鎹雀が、本部及び、全国の支部に配属された直後

 

昼過ぎの

鬼跋特務隊本部・司令長官室

室内には、チョッキ無しの戦闘服を着た賢子、煉獄、雄次、皐月がいる

 

*皐月、特殊な日焼け止めを塗っているため、平常時の短時間なら、

昼間でも活動できる

 

執務机の横の止まり木に、鎹鴉”要”と

鎹雀”ちゅん太郎””ちゅん次郎”ちゅん子”の4羽が止まっている

 

雄次、怪訝そうに

「なんすか?」

「このカラスとすずめは」

 

鎹鴉”要”、雄次の肩に乗り

「カラスと言うな!!」

「鎹鴉と言え!!!」

雄次の耳元で、大声で叫んだ

 

雄次、キーんと耳鳴りがし、動けない隙に、立ち木に戻る、鎹鴉”要”

 

雄次、プンプン怒り

「うっさいっすよ!!」

「喋るカラス!!!」

叫ぶ

鎹鴉”要”、負けじと

「我々は、鎹鴉だ!!!」

「カラスじゃない!!!」

 

雄次、ぷぎゃ~し

「カラスはカラスっすよ」

鎹鴉”要”もぷぎゃ~

「鎹鴉は鎹鴉じゃ~」

 

皐月、苦笑い

「雄次さん、やめて下さい」

煉獄、呆れて

「“要”もやめんか」

1人と1羽を仲裁する

賢子、微笑ましく

「まあまあ・・・」

 

皐月

「鎹雀って言うのかな?」

「なんか、凄く可愛いねぇ~」

三羽の鎹雀、頭を下げ

「あっありがとう」

 

皐月、

「ちゃんとお礼も言えるのね」

「偉いわ~」

「お姉さんのお願い聞いてくれる」

三羽の鎹雀、頭を縦に降る

皐月、天使のような、はにかみで

「お願い、もふもふさせて~」

 

三羽の鎹雀が、皐月の肩と手のひらに乗り

皐月、嬉しそうに

「きゃ~、この子達可愛い」

「もふもふも気持ちいいよ~」

 

そんな、ギャルっぽい皐月に

唖然とする、煉獄

微笑む、賢子

素のまま、見つめる雄次

バツの悪そうにしている、“要”

 

その“要”を見かける雄次

雄次に見られて、ツンっとそっぽむく“要”

 

雄次、そっと“要”に近づき、小声で

「お前も、可愛い相棒もって、大変すね~」

「わかるっすよ~、お前のそのやるせない気持ち」

「俺も、皐月と一緒に出歩くっすけど、いつも周りの人、皐月にばかりに集まるっすよ」

目に、涙が浮かんでいた

鎹烏“要”、雄次に振り向き

「お前もそうなのか・・・」

「我も、あいつらと一緒にいったら、あいつらだけ可愛いがれる」

「お互いに辛いよな・・・」

雄次、鎹烏“要”抱き合い、急に泣き出した

 

周り、驚愕する

 

次は、皐月の胸元から、ダックスフンドのペロの上半身が出現

「ワン!!」

肩や手のひらにいた、鎹雀を追い出す

 

ペロ、皐月を寂しそうな瞳で、見つめ

「く~ん」

(僕以外、可愛がっては駄目だよ)

って感じで訴えた

皐月、ペロの頭を撫で

「大丈夫よ、ペロちゃんも充分に可愛いよ」

ペロ、にっこり

「わん!!」

 

そのカオスな状況に、狼狽する煉獄

(一体、何なんだ、この状況は・・・・)

賢子、微笑みながら

「もう、静かにしましょうね」

 

煉獄

「おほん」

せき込む

 

周りが、静まる

 

そして、煉獄、雄次、皐月が、ソファーに座る

賢子は、執務席に座る

 

煉獄、真剣な面持ちで

「全国局長会議で、決まったことをもう一度、おさらい致します」

「羅導岳の5人衆(ギガント間庭と四天王)が」

「それぞれの任地に行くのが、4日後のため」

「その前日の3日後に、羅導岳の本拠地に」

「本部、及び東京支部の隊員たちが、乗り込むことになる」

「羅導岳の5人衆と、その配下の鬼は、主に冨岡副長を始めとした」

「東京支部の精鋭が討伐、羅導岳本人には、本部の知花隊員と鯖江隊員が討伐」

「現場での臨機応変のために、ここでの指揮者は、東京支部・副長の冨岡義礼とします」

「知花隊員、鯖江隊員、それでよろしいかな?」

雄次

「構わないっすよ」

皐月

「異論はありません」

煉獄

「各支部は、それぞれ地域の羅導岳一派の討伐と決まりました」

 

「一週間後に、羅導岳一派が、全国の鬼跋特務隊の所在地を襲撃する前に」

「こちらから、羅導岳一派の所在地の奇襲かけます」

「何故なら、市街戦を避けるためと」

「攫われた人と善良の鬼の一日でも早く救出するためです」

 

「万が一だが、逆にこの奇襲が向こうに露見した場合を見越して、本部は、もぬけの殻にし」

「東京支部である、警視庁に、知花司令長官、私・煉獄副司令官と東京支部の隊員たち」

「そして、警視庁機動隊が配置します」

「なぜ、その様な配置にしたかは、羅導岳の狙いが、知花司令長官自身と」

「御前の呪縛から解放するワクチンです」

「知花司令長官とワクチンを守るために、この様な厚い配置にしました」

 

賢子

「ここまで、気を遣って頂き、ありがとうございます」

煉獄

「捜索の過程で、羅導岳が、知花司令長官を自分のモノにしようとしている事を知りましたから」

 

雄次、憤り

「羅導岳の野郎、姉ちゃんを自分のものにするって、ホントっすか?」

煉獄

「本当だとも、鎹鴉を通して」

「羅導岳一派の1人が、鎹烏、雀を可愛がってくれて、世間話を通して、情報を提供してくれたのでね」

「それだけではなく、襲撃の日まで教えてくれましたよ」

 

賢子

「その情報を提供してくれた|鬼《ひと》って誰でしょうか?」

煉獄

「その鬼は、羅導岳・5人衆の一人・・・・」

 

 

・・・・・

 

 

夕刻時

羅導岳の本拠地

東京都内にある

小高い山に、寺院の様な平屋敷

 

その門構えの前で、黒服をきた鬼たちが、各々の姿勢で警備をしていた

その中の1人、黒服を着た|安富子《あん・とみこ》、しゃがみながら

カラスやすずめに、パンくずを手に乗せ与えながら、警備をしていた

 

カラスと複数のすずめが、行儀よく食べるので

「皆んな、いい子やね~」

微笑みながら、誉めていた

 

中から、同じく黒服を着た、信勝が出てきて

「今から、鬼跋特務隊の襲撃の役割分担の話するさかい、富子」

「お前も参加しろや」

 

富子、少々嫌な顔をし

「分かったよ」

カラスとすずめに

「今日はここまで、また明日やで、バイバイ」

手を振り、立ち上がり、信勝と一緒に、玄関に入る

 

信勝、呆れた面持ちで

「また、カラスとすずめに、餌やってたんかい?」

(てか・・・何故、カラスとすずめが一緒いてるねん)

 

富子、笑みを浮かべながら

「信勝も、一緒に餌やり、せ~へん?」

「あの子ら可愛いし、癒されるで~」

信勝

「ええわ!!そんなもん」

「お前、いつも変な事しよるな・・・」

 

富子、信勝に密着、腕を掴み

「ふふふふ・・・」

微笑むだけで、応答はしなかった

 

信勝、あたふたし

「こんな処で、いちゃつくなや!!恥ずかしいやろ!!」

(富子の奴、人とズレてる事しよるからな~~)

(まあ、こいつのお陰で、今の俺があるんやけどな・・・)

 

 

・・・・・

 

 

同じく夕刻

陽壱の所属する、鬼跋特務隊・支部

 

支部にも、鎹鴉と鎹雀が配置された

 

主な、任務は、支部の地域内の鬼の探索及び監視が目的である

日頃から、オーガ・チェイスを身に着け、地域内を飛び回っている

 

鬼を見つけると、通信を使って報告、超小型のGPSを、鎹雀が鬼に

取り付け、監視し様子を見る、その鬼が事件を起こせば討伐(選択権あり)

なければ保護をする

 

(代理食品と抑制薬の配送記録で分かるが、いつもその場所にいる訳ではない)

(それに、代理食品と抑制薬の管轄は、賢子から、鬼刕華に代わっており、その情報は掴めない)

 

地下訓練場内

出入り口前に、止まり木があり、鎹鴉が留まっている

 

実那や他に女性隊員たちが

「きゃ~~」

「このすずめちゃんたち、もふもふして可愛いよ~」

女性隊員たちが、鎹雀を順番に、もふもふしていた

 

陽壱たち、男性隊員

カラスとすずめに、黄色い声を上げている女性隊員たちに、ドン引き

 

陽壱

「いきなり、カラスとすずめが配属され」

「何かとおもったら、あれら、言葉話せるし、応答までするよ」

男性隊員

「カラスが、人の言葉を覚え話す事例はあるが」

「すずめが、喋るのは初めて聞くぞ」

 

陽壱

「そのお陰で、あのすずめたち、女性にモテモテだわ」

男性隊員

「その点、あのカラス」

「誰も見向きもしない・・・・」

 

止まり木に、落ち込んで留まっている鎹鴉を見て

 

陽壱、男性隊員

「同情するわ・・・・」

 

今給黎局長と、武市を始めとした、副長たちが訓練場に入ってきて

「皆んな、集まったでしょうか」

「3日後に、全国に散らばっている、羅導岳一派の所在地に、所轄内の支部が乗り込み討伐することに決まりました」

「何故、三日後だと言うと、羅導岳と、その配下の5人衆が東京に集結しており、まとめて、討伐するためです」

「羅導岳には、本部の知花隊員と鯖江隊員が担い、5人衆には、東京支部に所属している、主な呼吸術の伝承者(炎、水、風、岩、雷)が担うことになっています」

 

陽壱

「雄次の奴、鬼跋特務隊に入隊したんだ」

「すぐに、大きな仕事を任されるとは、凄いな」

実那

「皐月、羅導岳と言う、自分より強い鬼相手に、大丈夫かなです」

 

今給黎

「我々の支部としては、ここの守備として、武市、沢滝(斧)、海老名(トンファ)の各チーム

が残り」

「残りの、藤堂、伊東、北、私・今給黎チームが、羅導岳一派の所在地を叩きに行きます」

「その作戦で行こうと思うが、何か意見があれば、言って欲しいです」

 

陽壱、手を挙げ

「局長、自分たちの所轄での羅導岳一派の居場所が分かっていれば、全員で叩けば良いと思いますが」

 

今給黎

「これは、万が一、鬼跋特務隊の作戦が、羅導岳一派に漏れた時の対処です」

「最悪、私たちが、所在地を打って出る隙に、ここを奇襲された時の為です」

 

陽壱

「なるほど、そうですか」

 

そして、各支部も、着々と、羅導岳一派の掃討の準備が整えられていた

 

 

つづく・・・・・