熊さとの戯言

自分の体験などを雑記帳・備忘録として

オーガ・バスターズ 第62話

第62話 遺言

 

月夜

ある広いグランド

 

たまたま、そこのグランドに歩いていた、一般人を捕まえ、人質にし

磨修鬼に脅しをかけるギガント間庭

 

草影に隠れ、やきもきしている佐伯

「どうやって、人質を助けたら良いんや?」

 

ギガント間庭、2人の人質を持ち上げ

「磨修鬼、どうするよ?」

「俺が、お前の立場なら、こんな家畜」

「ほっといて、我ら5人を始末するだろうな~」

 

磨修鬼

「ちっ・・・」

「俺にどうしろと?」

 

ギガント間庭

「まず初めに、地面に貼り付いてる2人を解放してもらおうか~」

 

磨修鬼

「・・・・・」

照屋、小鳥遊の手足に串刺ししている血鬼術「ナイフ」を解除した

 

照屋と小鳥遊の手足の傷が再生され、元に戻る

 

ギガント間庭

「照屋、小鳥遊」

「今の磨修鬼は、何も抵抗しないだろうから、徹底的に痛め付けたれ」

 

照屋、小鳥遊

「へい!!」

照屋

「今までやられた分、徹底的にやり返してもらうで」

小鳥遊

「よくも恥をかかせてもらった分、返してもらうぞ」

 

磨修鬼

「ふん、お前らも一端の格闘家なら」

「卑怯な事せずに、堂々と勝負しろや」

 

小鳥遊、磨修鬼の腹めがけ、膝蹴りを入れる

「喰うか喰われるかの世界に、正当も卑怯も無いんだよ」

 

後は、2人して、一方的に磨修鬼を痛め受けていた

身体中は、再生も追い付けないほど傷を負わされていく

 

ギガント間庭

「クククっ」

「いいぞ、いいぞ、もっと痛め付けたれや」

 

黙って見ている、信勝、富子に

「ほら、お前らも加わって、磨修鬼を痛めつけろや」

 

信勝、富子、

「・・・・・」

何か釈然としない思いがあり、ただ黙って見ているだけだった

 

それでも、磨修鬼は、どう人質を解放させるか考えていた

 

ふと、草影に隠れている佐伯を見つける

佐伯も気付く

「・・・・・」

 

血鬼術「ナイフ」をギガント間庭の後方の地面から出現し、人質を掴んでいる腕を切断して

人質を佐伯に遠くへ運んで救う作戦にでた

 

だが、信勝、ギガント間庭の方を向く、地面から「ナイフ」が出てる事に気づく

「間庭さん、危ない!!」

ギガント間庭に向けて、血鬼術「風力」太巻を飛ばす

 

ギガント間庭の後方の「ナイフ」を破壊する

 

ギガント間庭、激怒し

「磨修鬼、貴様何のつもりや!!」

 

磨修鬼

「くっ!!」

 

ギガント間庭、人質のカップルを、信勝、富子に預け

「照屋、小鳥遊、どけ!!!」

「磨修鬼、調子に乗るなよ~~」

磨修鬼のまえに立ち、思い切り顔を殴りつけた

吹っ飛ぶ磨修鬼

ギガント間庭の血鬼術「拷問」茨の鎖を磨修鬼に巻き付け

無理やり立たせて、殴りまくる

 

草陰にいる佐伯、見ていられず手で顔を覆う

「磨修鬼はん、なんて事に・・・」

何か思い出したように、携帯を取り出し

「そこに、通報したらいいやん」

 

もう皮膚が剥がれ、筋肉が見える状態で、再生が追い付けないほど

ボロボロの磨修鬼

 

ギガント間庭、にたっと笑い

「いいものがあったな~」

ズボンのポケットから、箱を取り出して箱の中から、注射器を取り出した

「これは、何かわかるか?」

 

磨修鬼

「ま、まさか!!!」

 

ギガント間庭

「そのまさかだよ」

 

磨修鬼、暴れ回るが、「拷問」茨の鎖に身体中縛られ逃げることが出来ない

「く、くそ~~」

磨修鬼の首に、注射を打ち、中の液を注入する

「ぐ、ぐわ~~」

もがき苦しみだした

 

ギガント間庭

「鬼を殺す方法は、日光を浴びさせる、日光を吸収・放出する新素材を使った武器、又は日輪刀で首を斬る」

「そして、もう一つが、高濃度の藤の花の毒を身体に注入させる事で殺すことが出来るんだよな」

 

磨修鬼、藤の花の毒に苦しみながら

「だったら、あのカップルを人質にする必要ないだろ」

「早く解放しろよ!!」

 

ギガント間庭、鼻で笑い

「ふん、折角の食料、何でわざわざ逃がさなきゃならないんだ」

「おめえが死んだあと、ゆっくり喰ってやるよ」

 

磨修鬼、人質が解放されないことが分かると、怒りがこみ上げ

「てめえら、ふざけるなよ!!!」

血鬼術「ナイフ」で、「拷問」茨の鎖を引きちぎり

態勢を整えた後、巨大な返りの付いた「ナイフ」をギガント間庭にぶつけ、吹っ飛ばす

ギガント間庭には、巨大な「ナイフ」が貫いていた、それを外そうとするが、抜けなく

動けば、余計に苦痛を味わっていた

「い、痛い!!くそ~~」

そして、複数の「ナイフ」を出現させ、残り4人にも襲撃、

4人にも、身体中に「ナイフ」が刺さり、苦しみだした

 

人質も解放されたが、ショックの余り逃げ出せなかった

 

だが、どこからともなく、パトカーのサイレンが遠くから聞こえ

段々と大きくなるのが聞こえてきた

 

佐伯が草陰から大声で

「パトカーがやってきたで~~」

「早く逃げないと大変になるで~~~」

叫ぶ

 

ギガント間庭

「パトカーだと!!!」

「見つかるとやばいぞ!!!」

「そこから、鬼跋特務隊が来られるとややこしくなる」

「退散するぞ」

 

照屋

「磨修鬼は、どうするのです?」

ギガント間庭

「もう、ほっとけ、藤の花の毒でもうじき死ぬ」

 

5人組、素早い速さで、この場を退散した

 

佐伯、草陰から出てきて、磨修鬼を抱きかかえて

この場を退散した

 

パトカーが着いた頃には、しゃがんたままのカップルが、ポツンと

置かれていた

 

 

・・・・・

 

 

佐伯のバー

 

息が荒く、毒に苦しむ磨修鬼を、ソファーに寝かしている

その側で、看病する佐伯

 

磨修鬼

「すまんな、佐伯さん」

「ここまで、運んでくれて」

佐伯

「何言ってるんや、磨修鬼はん」

「当たり前の事したまでや」

「わしが、もっと強い鬼やったら、磨修鬼はんの力になったのに・・」

悔しくて、泣き出す

 

磨修鬼

「いや、あんたも強いぞ、羅導岳の5人組の近くまでいたのだからな」

「そのうえ、警察に通報してくれて、俺をここまで運んでくれた」

 

佐伯

「そう言ってくれると、心が休まります」

「逆に、磨修鬼はんを励まさなあかんのに・・・」

 

磨修鬼

「ハハハ・・・」

「構わないよ」

「・・・・・」

「最期に、俺の話を聞いてくれんか・・・・」

 

佐伯

「うん、とことん付き合うで」

 

磨修鬼、まるで遺言のように、思い出話を、佐伯に聞いてもらった

主に、兄貴分の雄次の事と

ビジネス・パートナーとして、一緒に活動した、鯖江皐月の事を話していた

 

そして、磨修鬼の身体が崩れていく

磨修鬼

「佐伯さん、もし雄次兄さんと鯖江皐月という鬼に会ったら」

「雄次兄さんには、やさぐれてた俺を救ってくれ、共に裏社会を歩めて、本当に楽しかった」

「もし、雄次兄さんがいなかったら、こんな楽しい人生送れなかったって伝えてくれ」

鯖江皐月には、ただ一言“好きだった”と伝えて欲しい」

「それと・・・・」

「もし、あの方と会う機会があったら、“貴方のような、偉大なBOSSの元で働けて光栄でした”と伝えて欲しい」

 

佐伯、首を縦に振りながら

「うん、うん」

「わかったで、磨修鬼はん」

 

磨修鬼、身体の崩壊が進行しながら、にこりと笑い

「雄次兄さんや、皐月に見守れながら、死ねなかったのは残念だったけど」

「佐伯さんが、見守ってくれて嬉しかったよ」

「誰にも見守られず、孤独のまま死なずに済んだのだからな」

「ありがとう、佐伯さん・・・・」

 

すべての身体が無くなっていき、ボロボロの服だけが残った

 

佐伯、ボロボロの服を掴みながら

「磨修鬼はん、まだまだ死んで欲しくなかったで~~」

号泣していた

 

 

回想終了

 

 

現在の佐伯のバーの店内

 

「そうやったんや・・・・」

「磨修鬼はん、余りに慈悲過ぎるで」

「人質のために、命を失うなんて」

「ほんまに、羅導岳のやつ許さんで!!!」

 

佐伯、金庫から、ボロボロの服を取り出し

「この服は、当時、磨修鬼はんが着てた服や」

「これを、雄次はんに渡してほしい」

 

「おう、分かったで~~」

「雄次はん、喜んで受け取ってくれると思うで」

 

佐伯

「そうやな・・・・」

 

店内が、しんみりとしていた

その空気を破るように

突然、ブルーシートが捲れ、男が店内に入ってきた

「こんな処にいたのか」

「2年前、祇園磨修鬼との戦いを覗いていた鬼って奴は」

 

「誰だ、おめえさんは??」

佐伯

「あ、あんたは、その時にいた一人やんか・・・」

 

男、拳を鳴らしながら

「ほう、俺の事も覚えてたんや」

「見つけたら、殺せっと命令されてたんよ」

「可哀想に・・・・」

「おめえら、今日で最期やな」

 

この男は、かつて、道明寺あかねの兄・夏哉を嵌めて、喰い殺し

ギガント間庭らと共に、人質を使う卑劣な方法で、祇園磨修鬼を毒殺した

 

羅導岳・四天王の1人、鏑木信勝が佐伯のバーの店内に入り、仁王立ちしていた

 

 

つづく・・・・・