熊さとの戯言

自分の体験などを雑記帳・備忘録として

オーガ・バスターズ 第55話

西洋では、鬼の事を、デーモン=悪魔と呼ばれているらしい・・・


第55話 デーモン


夜中の大阪のあるビジネス街
人気のない裏路地

短パンに胸までの短いシャツへそ出しルックの
長身(173cmくらい)な金髪をオールバックした女性が
男性の首を噛んで、血を吸っている
「ここの国の男の血は淡白よね~」

全身の血を抜かれた男性はそのまま倒れた
その前に、頭が狼で、身体が筋肉で引き締まった
(ちゃんとズボンは着てます)
身長が吸血の女性より少し高め(180cmくらい)の男が
「これ、喰っていいか?」
吸血の女性
「構わないわよ」
「私は、血のみで大丈夫だから」

狼頭の男
「それじゃ、頂くぞ」
大きな口を開け、その男を喰い尽くした
「やっぱり、この国の人間は淡白だな」

その後、上から
2mは超える、上半身がやたらと発達し、こめかみに大きなボルトのような角の生えた
フランケンシュタインを思わせる体形の男が
ドスンっと降ってきた
「知花賢子・・・・いないのかな・・・」
カミーユ

吸血の女性=カミーユ
「ドゴーリ」
「今、私の街中を張り巡らせた“蝙蝠”を使って探索中よ」
「知花賢子が、今、大阪に滞在してるのは確かよ」

狼頭の男
「お前のその“蝙蝠”、精度悪いんじゃね~の」
カミーユ
「うるさいわね~」
「あんたのへなちょこ鼻より、マシよ」
「セバスチョン」

狼頭の男=セバスチョン
「なんだと、カミーユ
お互いの目がバチバチと睨み合う
フランケンシュタインの男=ドゴーリ
「もうやめなよ・・・・二人とも・・・・喧嘩したら駄目だよ・・・・」
カミーユ、セバスチョンの睨み合いが収まり

カミーユ、ため息をつき
「あんたの、身体に似合わない声を聞くと」
「力が抜けるよ」
ドゴーリ、照れながら
「それほどでも・・・・」
カミーユ、大声で
「誉めてない!!!!!」

セバスチョン、複雑な表情をしていた
「・・・・・」

カミーユ
「この国では、私たち“デーモン”の事を、“鬼”、つまり“オーガ”と言われてるのよ」
「“蝙蝠”で調べた処、この周辺には、何人かの“オーガ”がいるわ」
「居場所教えるから、そいつらから、知花賢子の情報を得ましょう」

セバスチョン
「・・・・・了解」

ドゴーリ
「うん、わかったよ・・・・」

カミーユ
「我がマスターの御意思と私たち最上眷属の矜持を守るために」
「必ず、知花賢子を拉致し、我がマスターの元へ連れて行くわよ」
「“不死身の究極体”を欲しがるのは、何も、鬼哭院御前や知花鬼刕華だけではないのよ」


・・・・・


大阪・釜ヶ崎

昔は、日雇い労働者の聖地だったため、安い宿が多い
その安い宿を利用する、外国人のバックパッカーが増え
その聖地となりつつある

その安い宿の一つで、知花雄次が働いていた
「サンキュー」

宿泊客を見送る、私服姿でエプロンをしている雄次

宿の年を取ったオーナー夫婦
「雄ちゃん、いつもありがとうね~」
「一生懸命、宿のお仕事してくれるから嬉しいわ~」

雄次
「当たり前じゃないっすか~」
「野垂れ死するところを助けてもらったっすから~」

雄次、遊園地でのバイト中、偶然居合わせた陽壱から鬼跋特務隊の入隊を
勧められていたが、その前に、2年前から行方不明になっている
自分の弟分である“祇園磨修鬼”の行方を捜していた
祇園の後釜である、御前の秘書になったのも、祇園の行方を探る為であった)

だが、中々情報が掴めず迷走し
日雇い労働者の恰好をした雄次が、閉鎖されている、あいりん職安の建物の
脇で倒れている(死ぬわけではないが、人食しないよう我慢してた)のを
今働いてる安い宿場のオーナー老夫婦に助けられ、雇って貰っている
(今は、一定の居場所を確保したため、抑制薬と代理食品が届くようになる)

オーナー
「いやいや、雄ちゃん、英語しゃべれるし」
「なんたって、料理が上手だから、バックパッカーの間では」
「めちゃ美味しいってすこぶる評判やで」
「それに、てきぱきと仕事するしね~」

雄次
「英語は、母ちゃんとよく、あちこち外国に行ってたっすから」
困ったような顔で
「料理は・・・・・」
「母ちゃんと姉ちゃん、すごく料理下手だから、俺が料理してたら」
「なぜか、料理上手くなってたっす」
苦笑いする

オーナー
「そうなんや~」
「雄ちゃんは、わしらの孫みたいやさかい」
「ずっと、おってくれると良いで~」

雄次
「じいちゃん、ばあちゃん、ありがとうっす!!」

そして、宿泊施設の業務を一通りこなし、時間が余ったため

雄次
「休憩がてら、ちょっと出かけて良いっすか?」
オーナー
「オッケー、構わんよ~」
雄次
「ありがとうっす」
「行ってくるっすよ~」

釜ヶ崎界隈を歩き回る雄次

ある、宿場の部屋で、情報屋の鬼に会う
この情報屋の鬼は
雄次が裏社会に居た時から、知り合いである
風貌からして、少し卑下た、壮年の姿をしている

雄次
「情報屋のおっちゃん、何年振りっすね~」
情報屋の鬼
「お~“人喰い”の雄次はん、久しぶりやな~」
雄次
「“人喰い”って、その渾名やめて欲しいっすよ」
「もう、人食はしてないっすよ」
情報屋の鬼
「その渾名、それだけの意味じゃないで」
「雄次はん、人の心を掴んで離さないことでも“裏社会”では有名やで」
雄次
「俺、そんなことしたことないっすよ」
情報屋の鬼
「その“天然さ”がみんなに好かれとったんやで」
雄次
「そんなもんっすかね」

この、情報屋の鬼は、戦後間もない頃から、この界隈を
根城として潜伏し、やくざや警察だけでなく、マスコミから
一般人まで幅広いコネをもち、尚且つ自らも情報を
探すほどの能力(血鬼術自体、情報収集に関する能力である)
があるため、御前はおろか、裏の世界の人間では重宝されている

裏の世界の人間は、この情報屋が鬼である事を知っている
そのため、「証拠を隠したい死体」を提供することにより
情報を貰っている

雄次
「それで、おっちゃんに、祇園磨修鬼の消息を調べて欲しいっす」
「2年前に、大阪に行ったきり行方不明になってたっすから」
情報屋の鬼
「あの“慈悲の喧嘩屋”磨修鬼はんやろか」
雄次
「そうっす、そいつっす」
心のなかで
(く~磨修鬼の奴、“慈悲の喧嘩屋”って良い渾名つけてもらって、羨ましいっす)
(俺なんて“人喰い”っすよ~)
少し、へこんでいた

情報屋の鬼
「雄次はんの頼みとありゃ~、精一杯やらせてもらいまっさ」
「分かり次第、メール送りまっせ~」
雄次
「ありがとうっす、情報屋のおっちゃん」
「俺は、もう裏社会の者でないから、死体とか提供出来ないっす」
「だから・・・・」
100万円ほど入った封筒を渡そうとしたが
情報屋の鬼
「いやいや~、雄次はんから貰う訳いかないで~」

 

雄次
「え~それじゃ、世話なりっぱなしっすよ」
情報屋の鬼
「むしろ、わしら“鬼”が、雄次はんや祇園はんに世話なりっぱなしやで」
「裏社会で、“鬼”が活動出来るようなったんは」
「雄次はんと磨修鬼はんのおかげやし」
雄次
「それは、ただ単に、俺が人の“任侠界”に、勝手に足を踏み入れ」
「いろいろあったが、何とか仲良くした結果っすよ」
情報屋の鬼
「それでも、わしらは裏社会の人間に迫害されずに済んだんやで」

「感謝してるで」

雄次、恥ずかしそうに頬を掻きながら

「そういうことにするっすよ」

「でも、本当に無償で依頼うけてくれて、ありがとうっす」

情報屋の鬼

「良いってことよ、大船に乗ったつもりで、任しとき~」

このあと、メール交換をし、情報屋の鬼と別れた

 

雄次、再び、釜ヶ崎界隈を歩き、感心しながら

(ここの界隈、変ったすね~)

(以前は、歩くたびに野宿する日雇い労働者が沢山いたっす)

(大分昔に、日雇いで行ってたすけど、あの時は、結構稼げたっすね~)

(今は、もう・・・・)

 

何か、思い出したかのように

「そういえば、新世界ってどうなってるっすかね」

「行ってみようっす~」

自転車を漕ぐ速さで、新世界へ向かう雄次

周りの人は、雄次の走る速さに、人間業でないと茫然と見ていた

 

新世界につく、雄次

「わ~やたら、串カツの店が多いっすね~」

ある場所の上を見ると

「たしか、ここに大きなフグの看板あったはずっす・・・」

「なんか、いろいろとかわったすね~」

次は、通天閣を見る

通天閣はあまり変わってないっすね~」

 

通天閣の近くにより

自動販売機で飲み物を買い近くのベンチに座って飲んでると

近くを、歩いている人たちが

「なんか、この近くで、行方不明者が続出してるみたいやで・・・」

「しかも、夜中に外に歩いてたら、獣の覆面を被った男に攫われたって」

「噂がたってるで・・・」

「ホンマに気を付けんとな~」

聞き耳を立てていた、雄次

(うわ~、それまんま鬼によるものっす・・・)

(俺らみたいに大人しい鬼にとっては迷惑っすよ~)

(獣の覆面って、また“悪い御前”が作ったすか~)

(なんか、やだな~)

気まずそうに、飲み物を飲み干し、勤務先兼、宿泊場に帰っていった

 

やがて夜になり、雄次の勤める宿場に

大きなリュックサックを背負った

長身な白人男性のパックバッカーが泊まりに来ていた

 

それに対応していた雄次は、その白人男性に違和感を感じていたが

気にせず 泊まる部屋を案内した

「Then slowly~(では、ごゆっくり~)」

白人男性、愛想よく

「Thank you(ありがとう)」

部屋に入る

白人男性、雄次の気配が消えると

「ここを拠点に、人を食べながら、知花賢子を攫うチャンスを待とう」

そして、白人男性の頭が、狼の頭に変化し

「今さっきの男、人間とは違う匂いがしていたぞ」

「まあいい」

「この建物の人間食べ尽くすつもりだし、“オーガ”にしろ人にしろ」

「先にあの男を喰うか」

(もし、オーガなら、情報を引き出せるだろう)

 

 

つづく・・・・・

 

因みに、知花鬼刕華は、“不死身の究極体”には全く興味はない・・・・・

手段は頂けないが、ひたむきに“不死身の究極体”を目指す月の御前の「目標」と

月の御前を、魂から救おうとする、日の御前の「目的」に興味があるだけ

 

知花賢子などの報告を聞きながら、こっそり御前自らも“不死身の究極体”研究をしている

(猜疑心ってより、基本、自らの手で完成させなければ気が済まない性格のためでしょう 参照は、原作の公式ファンブック2から)