熊さとの戯言

自分の体験などを雑記帳・備忘録として

オーガ・バスターズ 第41話

第41話 不遇の幼少期

 

人気の無いビジネスの路上

執事の鬼と陽壱、武市、あかね
が戦いを続けている

執事の鬼
「はあはあ・・・」
(傷がなかなか治らない、早く・・・)
疲れが見え、動きが鈍くなる

ロボアームの先から、丸ノコの刃を出現させ、陽壱目掛け発射し
陽壱
「くっ!!」
太陽の燃え盛る閃光を纏うコマンドナイフで、破壊
あかね
「おりゃ~!!」
あかねの雷を纏った巨大ハンマーを振り上げた処を、ロボアームのハサミで受け止め

あかねごと持ち上げ、陽壱目掛け投げつけた
陽壱、あかねを受け止めるが、その勢いであかねの下敷きになる
あかね
「いてて・・・」
陽壱
「おい、大丈夫か?」
あかね
「だっ大丈夫や」
陽壱
「それはよかった・・」
「それより、どいてくれないか?」
あかね
「あっ!!」
そして、執事の鬼は、武市のストレートを避け

フックを入れた時、 武市は後ろに下がり

「わしより背が低く体重も軽いのに、重いパンチを繰り出すとは」

執事の鬼も3人から戦線離脱、距離を置く

やがて、しゃがみこみ胸を押さえていた

執事の鬼

「はあはあ・・・くそっ!!」

その様子を見た、陽壱たちは

陽壱 「武市副長、悪い鬼ではなさそうだし・・・・」

あかね 「えっ?」

武市 「そうだな・・・・」

ズボンの脇のポケットから箱を取り出し、執事の鬼に投げ渡す

執事の鬼

「??」

訳が分からないが、その箱をキャッチし開けてみると

ワクチンの入った注射が収納されていた

「なんだ、これは・・・・」

武市

「これは、鬼哭院御前の呪縛から逃れるワクチンだ」

執事の鬼

「ワクチン?そんなの誰が・・・・」

武市

「今の鬼跋特務隊のトップ誰かわかるだろ?」

執事の鬼

「まさか、知花鬼刕華の娘、賢子」

「ここまで、作り上げてたとは・・・・」

陽壱

「お前だけでなく、妹たちにも接種すれば」

「御前の呪縛だけでなく、美郷媧歌妃からも解放されるだろ」

そのやり取りを見ていた、あかね

「あんたら、今なにやってるのか、分かってるん?」

「鬼を助けてどうすんの?」

陽壱

「俺の処の支部では」

「これで、何人か救ってるんだよ」

「中には、鬼になる事を後悔してるやつもいるんだ」

「今、その鬼たちは本部で保護し、人に戻すワクチンが出来次第、解放するんだよ」

あかね、苦虫をかみ

「何なん、それ?」

「訳分からんわ・・・」

 

執事の鬼

「媧歌妃様から解放だと」

突然、笑いだし

「ハハハハ・・・・」

 

陽壱、武市、あかね、唖然とする

 

執事の鬼

「あの方なら、いざ知らず!!」

「媧歌妃様の場合、俺ら兄妹自ら、あの人に慕い、仕えているんだよ!!!」

「媧歌妃様は、俺ら兄妹にとっては、命の恩人であり」

「成人するまで育ててくれた母みたいな人だ!!!」

「恵まれた家庭環境に育った、お前らにはわかるかよ!!!」

憤怒の伴った叫びを上げた

 

回想開始

 

執事の鬼=鬼郎・視点から

 

昭和45年代(1970年)

 

俺(鬼郎)の家族は、小さな町工場を、父・母・何人か従業員

そして、俺と5歳離れた双子の妹と、貧乏とは言わないが

普通に暮らしていた

 

だが、俺が、小学校3年生の時 突然、従業員の裏切り

そして取引先による工場乗っ取りで 俺ら家族が、路上に追い出されてしまった

 

仕方なく、ぼろアパートに引っ越し、貧しい生活が始まった

暫くして、父が帰って来なくなり、いつの間にか居なくなった

 

そして、母が一人で働き、俺たち兄妹を育てていき

俺が、中学生になると、新聞配達・牛乳配送をして生活の足しにした

そこまでは良かった・・・・

 

俺たちの不幸は、突然やってきた

母が、男を連れてきたのだ・・・・

まだ、普通の男なら良かったが、どう考えても、DOQの世界にいてそうな奴だった

その見た目そのまま、母や俺たち兄妹への家庭内暴力が始まった

しかも、母や俺の稼ぎまで取り上げてやがった

 

母も俺たち兄妹も、その男に震えながら暮らしていた・・・・

 

そして、いつの間にか、母までがその男と一緒に俺たち兄妹を虐待し始めた

俺は、泣きじゃくる妹たちを守るため、庇いながら男と母の暴力に耐えた

 

いつか、自立する為にも「へそくり」をしていたが

ある日、男に発見され、酷い暴力を受けた

それでも、大人になるまで、妹たちを守ろうと、この環境を耐えた

 

だが、もうその環境に耐えきれない、事件が起こった

 

俺が、中学校3年の秋、学校から帰ってくると・・・・・

妹・鬼美子が、その男から性的暴行を働こうとした

鬼美恵は泣き崩れていて

傍に母がいたが止めようとしなかった

 

俺は、逆上しその男に立ち向かったが

身体の大きかったその男 に半殺しになるくらいに殴られた

そのときは、妹さえ助けることが出来ないと、悔しさの余り泣き崩れた

 

そして、再び男が、妹を犯そうとした時

玄関から突然、ドレスを着た女が 上がりこんで

いきなり男の頭を握りつぶし、母の胸を貫いた 断末魔さえ聞こえなかった

 

その後、近くにあったちゃぶ台に腰掛け、その男と母を食べ始めた

 

震えて声の出ない、双子の妹

半殺しの怪我を負い、身動きの取れない俺を見て

 

媧歌妃

「あら、こんなところに、美味しそうな子たちがいたのね・・・」

「でも、やせ細ってるね」

「まあいいわ、まるまる太るまでまってあげるわ」

俺たちの額に、手をかざした

「これで、他の鬼たちに喰われる心配もないね」

この行為が、後に再び、母と男を喰い殺したドレスの女、美郷媧歌妃と会うのである

 

俺は、力を振り絞り

「たっ助けてくれてありがとうございます」

そのドレスの女に、感謝の意を述べた

 

そのドレスの女、キョトンとしていたが・・・・

俺たちの状況を確認し

「なるほでね、よほど辛い目にあってたんだね」

悲しそうな表情で、同情の意を示してくれた

 

何故か、俺たち兄妹を別のアパートに連れて行き

「あんたたち兄妹は、ここで住みなさい」と・・・

住む場所を与えられた、多分俺たち兄妹を太らせてから喰うのだろう

そう、頭を巡らせたが、もうどうでも良い

前みたいな虐待の環境に戻るより良いと思った

 

それ以来、そのドレスの女に会う事なく

母と男が殺されたのに何の騒ぎさえなく

それどころか、一定の金銭も入り、平穏に暮らすことが出来た

 

やせ細っていた身体は、みるみる元の体系に戻ったが、食べに来る気配さえなかった

 

一回、そのドレスの女から電話(ダイヤル式置き電話)があった

その話とは、何のことはない、進路についてだった

媧歌妃

「あんた、しっかり勉強し、高校ぐらい出なさい」

他人であり、しかも鬼にだぜ・・・

すこし可笑しかったのを覚えている

でも、嬉しくなり泣いてしまった・・・

 

そのあと、平穏に高校生活を送り、卒業してから、建設会社に就職し

次は、妹たちがそれぞれの将来の為に、懸命に働いた

そして、妹たちは、弁護士・医師として

俺たちのような子供たちを作りたくないっと言って活躍していた

兄として、その妹たちが誇らしく思えた

そのドレスの女にも見せたかったが

俺が高校卒業して、無事に就職したあと、 金銭も送られることなく

完全に途絶えた

 

そんなある日、鬼美子、鬼美恵の2人が、心臓に疾患が出て

移植の手術をしなくては助からないと宣告される

 

この時はバブル前

俺は、会社を興して、かなりの収益を上げて、近々上場しようとしてた時だ

その会社を売り、心臓移植手術の金にした

処が移植を待つ前に寿命が尽きるといわれ絶望した・・・・

 

その時、俺たちが鬼になったら、助かるのでは・・・・・と思い

そのドレスの女を探偵に捜査させた だが、頼んだ探偵たちが行方不明になって

なすすべが無くなった

そんな時、バブルの煌びやかな繁華街の外れの路上を歩いていると、鬼が現れて

襲われそうになった時

「お前、なんで、媧歌妃様の匂いをつけているんだ!!!」

逃げようとした

咄嗟に鬼の手を捕まえ

「あんた、ドレスを着た女の鬼を知っているのか?」

「頼む!!その媧歌妃って鬼に会わせてくれ」

鬼、キョトンとし

「は?」

 

そして、その鬼にドレスの女の西洋屋敷に案内してもらった

居間まで来ると、まさにあの時見た、ドレスを着た女の鬼だった

ソファーに座っている媧歌妃

「あら、久しぶりじゃない」

「わざわざ喰われにきたの」

「律儀だね・・・・でも、そんな事しなくて良いから、お帰りなさい」

 

俺は、その場で土下座をし

「俺たち兄妹を、鬼にしてください!!!」

媧歌妃、キョトンとして

「いきなり、何訳分からない事いってるの?」

そして、鬼になる理由を話した

媧歌妃

「わかったわ、でも鬼の世界は弱肉強食よ」

「そのまま、人の方がいいと思うけど・・・」

そして、俺は

「構いません、この命、媧歌妃さんから頂いたもの同然です」

「よろしくお願いいたします」

再び、土下座をした

媧歌妃

「・・・・・」

そのあと、俺たち兄妹は、御前様の元へ、媧歌妃様に案内され

無事に、鬼にしてもらい、妹たちの心臓の心配もなくなった

そして、俺らの命の恩人である、媧歌妃様に仕えることとなった

(妹たちは、夜しか活動出来ないため、本来の仕事を辞めた)

(現在は夜間のみ開業している)

 

のち、媧歌妃様の執事になった時

「なぜ、俺たちを食べなかったのですか?」

と質問したら

「あたしも、幼少のころ同じ目にあってね・・・・」

言われ、 俺たちに憐れみと同情が沸き、食べる処か

幸せになって欲しかった事を告白してくれた

より一層、俺たち兄妹は、媧歌妃様を支えようと決意した

 

回想終了

 

 

つづく・・・・・