熊さとの戯言

自分の体験などを雑記帳・備忘録として

オーガ・バスターズ 第40話

第40話 誰かの為に・・・・

 

人気の無い夜のビジネス街の路上

 

執事の鬼

「さっ再生しない?」

「一体どういう事だ」

深く抉られた傷が治らず

「ぐっいっ痛い!!」

メイド姉妹鬼は、しゃがみこみ傷口を押さえている

執事の鬼の姿を見て、尋常じゃないと感じ、駆け寄った

メイド姉妹

「お兄さん、どうしたの?」

執事の鬼の傷口を見て

メイド姉 「うそでしょ?」

メイド妹 「そんなのって・・・」

その傷口は、再生するが、まるで鉄が溶けるように、細胞が溶解していた

 

一方、武市のグローブを見ると、新素材の部分が、紅色に光り出していた

それを見た武市は

「わしのグローブが、紅色に光ってるぞ!!」

大声をあげる

陽壱

「何ですって?」

あかね

「まさか!!」

2人が、武市の元へ駆けより、そのグローブを見ると

陽壱、武市、あかね

「これが、赫刀!!」

驚愕する

武市

「あの執事の鬼の傷が治ってない処を見ると」

「赫刀に間違いないかもな」

陽壱

「しかも、ブースト機能より威力がありますね」

あかね

「武市さん、凄いやん」

武市

「そんなに凄いか~」

あかね

「だって一番、マスター出来なさそうやもん」

武市

「なんだよ、それ」

陽壱

「褒め殺しかい!!」

 

しゃがみこみ、傷が中々再生せず苦しんでいる執事の鬼

心配そうに宥めている、メイド姉妹

「お兄さん、大丈夫?」

執事の鬼

(くそっ、傷口が塞がらない・・・・)

(こんなことで、媧歌妃様を煩わせるとは・・・・)

(申し訳ありません、媧歌様・・・・)

(俺はもう・・・)

意を決したように、メイド姉妹に

「鬼美子、鬼美恵!!」

「お前たちは、媧歌妃様の元へ戻れ!!!」

メイド姉妹

「お兄さん、どうして?」

メイド妹

「一緒に戦えるよ」

メイド姉

「それじゃ、一緒に撤退しようよ」

執事の鬼

「・・・・・俺は、もう助からない」

「だから、お前たちが媧歌妃様を支えていってくれ」

メイド姉妹

「お兄さんが死ぬなんて嘘よ」

執事の鬼、メイド姉妹に傷口を見せる 細胞と再生と溶解が続いていて

一向に治る気配がない

メイド姉妹

「そんな」

執事の鬼

「俺は、媧歌妃様の為にも、あの鬼跋特務隊たちと道ずれにする・・・」

「犬死はしたくない」

メイド妹

「わたしも一緒に戦う!!」

メイド姉、涙を流しながら、妹の手を引っ張り、執事の鬼から離れていく

「鬼美子、邪魔しないで~」

メイド姉

「鬼美恵、お兄さんの意思に従って」

 

執事の鬼、メイドの姉妹鬼が離れるのを見送りながら

陽壱たちの前に立ちはだかる

陽壱たち3人

「・・・・・」

執事の鬼

「さっきは隙だらけだったぞ、何故叩かない?」

陽壱

「そんな卑怯はしないよ」

「お前たち、兄妹なんだろ・・・」

執事の鬼

「それが、どうした」

「仇になるぞ!!」

血鬼術「工具」アーム・ロボット 背中から、大きな工場で使われている腕の形をした機械が左右に出現した 腕の先には、片方はドリルともう一方は巨大なペンチ型のマニピュレータ(手首)

胸の辺りにも「工具」装甲鉄板を被せ

手甲には、座グリのグローブを纏う

執事の鬼、ファイティングポーズを決め、3人に向かう

陽壱たち、執事の鬼を囲むように攻撃を仕掛けた

執事の鬼、武市とはボクシングをしながら

陽壱、あかねとは、アーム・ロボットを使い 上手く立ち回る

陽壱

「執事の鬼、こんなに強いとは・・・」

武市

「すっ素早い!!なかなか当たらない」

あかね

「なんで、このロボットの腕、硬いんや」

執事の鬼

「この俺をなめんなよ~」

「媧歌妃様の為にも、負ける訳にはいかないんだよ!!!」

渾身の力をこめ攻撃、3人を後ろへ後退させた

陽壱

「さっきより、強くなってるぞ」

 

・・・・・

 

媧歌妃の西洋屋敷

屋敷の中を、執事たちを探している、媧歌妃

「鬼郎(きろう)何処にいるの?出てきなさい」

「さっき八つ当たりごめんなさいね」

「そういえば、鬼美子、鬼美恵もいないわね~」

 

屋敷中、探し回ったあと、居間に戻ると、鬼哭院御前、蘆屋道鬼が立っていた

媧歌妃、慌てて跪いた

「御前様、ご機嫌麗しゅうございます」

御前

「そんな事はどうでも良い」

「竹宮の命令を聞かなかったようだな」

媧歌妃、青ざめ

「いえ、決してそんな事は・・・・」

御前

「私の命令は絶対だと言ったな」

「最後に言うことはないか」

媧歌妃、慌てて

「そっそんな・・・」

そのとき、亡くなった俳優を思い出した

(そういえば、もう、頼孝(よりたか)はこの世には居ない)

(あたしはあの人を見守る為、生きてたんだ)

(もう、生きる必要ないでしょう・・・・)

媧歌妃、落ち着きを取り戻し

「わかりました、粛清を大人しく受けます」

「最後、言いたいことは、私に仕える、鬼郎、鬼美子、鬼美恵の処遇に寛大な処置を」 御前

「良い心掛けだ、その3人の処遇は考えておこう」

媧歌妃、眼を瞑り

「ありがたき幸せです」

御前、媧歌妃に手をかざして、粛清をしようとしたとき

 

道鬼

「御前様、少しお待ちください!!!」

御前

「なんだ、道鬼」

「媧歌妃の庇い立てなら聞かんぞ」

道鬼

「庇い立てするつもりはありません」

「利用するのです」

御前

「なんだと・・・・」

「言ってみろ」

道鬼

「媧歌妃殿、たしか最近亡くなった俳優の元・婚約者でしたな」

媧歌妃

「そっそうですが・・・」

道鬼、異空間の扉を開け、中から「棺」が出てきた

それを、ソファーの上に置く

御前、媧歌妃

「??」

道鬼

「御前様、媧歌妃殿を解放させてよろしいでしょうか?」

御前

「かまわん」

道鬼

「媧歌妃殿、棺の中を見てくれ」

媧歌妃、まさか!!と思い、棺の顔の見える窓をあけると

かつての婚約者だった 俳優の眠るようなきれいな死に顔が見えた

媧歌妃

「よっ頼孝~」

泣き崩れる

御前

「これは、どういう事だ」

道鬼、棺の蓋をあけ、札を亡くなった俳優の胸に置く すると

遺体となっていた俳優が上体を挙げて起き上がった

「頼孝~」

媧歌妃、その俳優をハグし、感涙した

御前、驚く

「死体を生き返らせることが出来るのか?」

道鬼

「いえ、厳密には・・・」

だが、その俳優の反応が無い

媧歌妃

「どうしたの?頼孝・・・・」

「頼孝~」

「これは、どういう事ですか、道鬼さん」

道鬼

「まだ、生ける屍状態、いわば”ゾンビ”だ」

御前

「・・・・」

道鬼

「反魂の術で生き返らせれるが・・・・」

媧歌妃

「どのようにすれば、生き返らせてくれるのですか?」

道鬼

「御前様、媧歌妃殿が任務を達成したら」

「この俳優を生き返らすのはどうでしょうか?」

御前

「・・・・」

「ふん!!勝手にしろ」

道鬼

「御前様から、許可を頂いた」

「今すぐに、竹宮殿の指示に従ってくれ」

媧歌妃

「御前様、ありがたき幸せです」

「それでは、参ります」

 

素早い速さで屋敷を出ていく媧歌妃

札を取り、俳優の遺体を、棺にしまう、道鬼

 

御前、不機嫌になり

「確かに、庇い立てはしてないが・・・」

「媧歌妃の粛清は絶対だ!!」

道鬼

「仰せのままに」

御前

「道鬼、”日の御前”の鬼で無かったら、とっくに粛清していたぞ」

道鬼

「・・・・・」

御前

「戻るぞ、早く異空間の術を使え!!」

道鬼

「承知いたしました」

異空間を使って、2人は、居間から消えていった

 

陽壱たちが所属する鬼跋特務隊支部のある街へ向かう、媧歌妃

(この任務が完了したら、頼孝に会えるのね・・・・・)

 

つづく・・・・・