熊さとの戯言

自分の体験などを雑記帳・備忘録として

オーガ・バスターズ 第38話

第38話  お人好しだったために・・・・

 

夏哉のアパート

夏哉と明菜、2人で 小さなちゃぶ台で夕食をとる

夏哉

「旨い!!!!」

「ほんまに、明菜の料理は旨いわ~」

明菜

「も~いつもいつも」

「旨いって言うから、頑張ってまうやん」

夏哉

「だって、ホンマやもん」

明菜

「ほめるのうまいんやから~」

 

もう、周りが引くほどの熱々のムードで満たされていた

それに水をぶっ掛けるかの様に

「バンバンバン」と思い切りドアを叩く音を鳴らした

「夏哉さん!!!!」

「大変です!!」

「信勝さんが・・・・」

 

夏哉、慌ててドアを開けると

柄の悪い男が息を切らして

「信勝さんが、ヤクザに絡まれて・・・・」

「港の方に連れて行かれました」

 

夏哉、明菜、顔を合わせる

夏哉

「そんなの、警察に言えばいいやん」

柄の悪い男

「そんなことしたら、信勝さんの命が危ないですよ」

夏哉、一瞬戸惑う

夏哉の”お人好し”が発動する前に

明菜

「それは、信勝さんの今までのやって来た結果やろ」

「わたしたちを、巻き込ませないでよ」

ストップを掛けた

夏哉

「そう言う事だから、警察にでも、相談したらいいやろ」

 

ドアを閉めようとすると 柄の悪い男

「信勝さんと夏哉さんて、道場の同期でお互いに切磋琢磨しあった仲でしょ!!」

「柄が悪いって言う理由で、見捨てるのですか?」

「信勝さんは、信用して頼れる人は夏哉さんしかいないって」

「前に夏哉さんらに会って、幸せそうな姿みて、本当に真人間なるって決心した矢先に・・・・」

 

夏哉、”真人間になる決心”を聞いて

「分かった・・・」

「信勝のいる処、案内してくれへんか?」

明菜、慌てて

「ちょっと、待ってよ」

「それ、嘘かも知れないやん」

「わたしは辞めた方が良いよ」

柄の悪い男

「本当ですよ、職安やバイトニュースみて、面接にも行ってますよ」

明菜

「そんなことって・・・」

夏哉

「ヤクザに絡まれてるのはホンマみたいやから」

「兎に角、見に行こうと思う」

「その後、警察に通報しよう」

「信勝が無事なら良いが・・・」

明菜

「・・・・分かったわ」

「わたしも一緒に付いていく」

夏哉

「明菜、お前まで行く必要無いやろ」

明菜

「夏哉のこと、心配やから」

「無理でも行くで」

夏哉

「・・・・・分かったよ」

「明菜も、俺らと一緒の道場で鍛えてたもんな」

夏哉、柄の悪い男に

「直ぐに案内してくれ」

 

明菜副長、この時、意地でも お兄ぃを停めるべきだったと後悔してた・・・・・

 

 

・・・・・・

 

 

ある廃倉庫

 

柄の悪い男の車で、案内される

周りには、ヤクザの車も無いし、争った形跡もない

夏哉、明菜は何か違和感を感じながら、倉庫の中に入った

 

そこには、30人はいるだろう

如何わしい人達が壁際に立っており・・・・

出入り口から見て奥の方で・・・・・

 

バラバラになった男女数体の遺体・・・・

それを頬むっている鬼が男女二体が事務机の上に座っていた

男の方の鬼をよく見たら、そいつは「信勝」であった

 

夏哉、明菜はその場面に頭が着いてこなかった

「・・・・・」

 

先に口が開いたのが、鬼と化した「信勝」だった

「よ~夏哉」

「よく来てくれたな~」

「それに、明菜まで来てくれるとはね・・・」

「真人間になる決心って聞いたら、絶対に来ると思ったで」

 

夏哉

「信勝、これはどういう事や?」

「お前が、人を喰ってるって・・・・」

 

信勝

「見てのとおりだよ」

「俺は”鬼”になったんだよ」

 

夏哉

「なんだって!!」

 

信勝

「俺の事、見てくれる人がいたんやな」

「羅導岳って鬼にスカウトされたんだよ」

「強い奴は、鬼になってもっと強くなれやって」

 

夏哉

「・・・・そんな事」

「簡単に引き受けたな・・・」

 

信勝

「ふん!!」

「この先、人のまま生きても碌な事ないしな」

 

「そうだ、お前をここに呼んだんは・・・」

「夏哉、お前、”鬼”になれや、それに明菜もな」

 

夏哉

「は?」

 

その会話に、夏哉たちを連れた男が割って入り

「もう、連れてきたから、いいでしょ」

「俺の彼女、返してください」

 

信勝

「あ~お前の彼女・・・」

「確かにいたな~」

バラバラになった遺体の中から、女性の首を取り出し

柄の悪い男に投げつけた、それを受け取った時

大声で

「うわ~、絵美~」

絶叫して泣き出した

「信勝さん、なんて事をするんや~」

 

信勝

「つかいっぱしかでけへん奴にはお似合いやな」

柄の悪い男

「ちくしょう~」

信勝に突っかかる

 

信勝、横の女の鬼に、

「富子、やれ」

女の鬼=富子

直ぐに、柄の悪い男の心臓を、脚で貫き殺す

 

それが無かったかのように

「夏哉、明菜どうするねん?」

返事をまつ

 

夏哉

「信勝、どこまで最低な奴なんや・・・」

「しかも、俺らを連れてきた奴まで、おもちゃの様に殺すなんて」

 

信勝

「猫がねずみを弄って何が悪いねん」

「で、鬼になるんか、なれへんのかどっちやねん?」

 

夏哉

「なれへんに、決まってるやろ」

信勝に向かって攻撃をしかける

そこへ、富子が割って入り、蹴りを入れる

かわす夏哉

 

明菜、その富子を見て

「あっ、この人!!」

「女子テコンドーの安富子(あん・とみこ)やないの」

 

信勝

「よう分かったなぁ~」

「こいつ、俺の女でよ、俺の言うことなら何でも聞いてくれてよ~」

「しまいには、俺の為に”鬼”にまでなってくれたんやからな~」

「まったくもって、いい女やで~」

 

明菜、思わず

「富子さん、なんであんな最低野郎の為に鬼に・・・」

富子、裏拳で明菜の顔を狙う、明菜、腕で防ぐ

「あんたに、信勝の何がわかるねん!!!」

 

信勝、事務机から腰を上げ、拳を鳴らし

「じゃ~お前らを痛めつけて、鬼にしたるわ」

「富子、お前は明菜の方をやれ、手足潰してもいいが、決して殺すなや」

富子

「了解!!」

「明菜だったわね・・・・」

「こちらからやるで」

富子と明菜の攻防が始まる

富子

「鬼のスピードに付いていけるんやね」

明菜

「私ら、鬼跋特務隊の隊員やで」

「鬼のスピードには慣れてるわい」

 

信勝、構えながら

「さあ、俺らもやろうぜ~」

「夜は長い、じっくりと痛めつけてやるよ」

信勝から、攻撃が始まる

夏哉、信勝の攻撃をまるで流すように躱し、相手の力を利用し

信勝を攻撃をする

「ぐっ!!」

夏哉

「力任せで攻撃するだけでは、能ではないで」

信勝

「くそ!!」

夏哉と信勝、明菜と富子の攻防が繰り広げられ、壁際で待機している

者たちを感嘆させた

時間がたつことに、例え、全集中の呼吸しながら体力を持たせても、

人側である、夏哉、明菜が不利となる

 

明菜

「はあはあ・・・」

富子

「もう、息があがってんのかい」

富子、回し蹴りを、明菜の腹にヒットし、倉庫の窓を突き破り外へ放りだした

それを、追いかけ場外で交戦をかけた

夏哉、明菜のやられる様をみて

「あ、明菜!!!」

心配になり声をかけ助けようとするが、信勝の猛攻が許さなかった

 

夏哉も全集中の呼吸が乱れ、動作も鈍ってきた

いままで、躱しながら攻撃を行ったが、ついに

躱しきれず、胸の辺りをヒットしてしまい、血がにじみ出てきた

 

だが、それにより、信勝の動きが酒に酔ったかのように動きが鈍り出した

「どないなってるんや」

「まるで、身体のゆうことが聞かへん」

焦り出す

「何か知らないが、信勝の動きが鈍ったで」

その隙を、夏哉が見逃すわけがなく、あらゆる技をもって

信勝を一方的に攻撃を加えた

やがて、信勝は膝を着き、身体が言うことがきかなくなった

「まるで酔ったみたいや・・・」

「ぜんぜん、動かへんわ」

夏哉

「鬼になっても、完全ではないみたいやな」

「すまんが、首を掻き切ってもらうで」

 

壁際に立ってる人が、持っているナイフを取り上げ

信勝の首を狙い斬りかかる

だが、なかなか動かせないながら、ナイフを躱す信勝

 

そのとき、あることを思い出した

 

羅導岳

「人の中に、たまに”稀血”という特殊な血をもった人間がいてるんや」

「そんな人間を、わしらは(レアモン)といってな~」

「その血をかぐと、まるで酔ったように身体の言うことが聞かず、戦いでは不利になるが・・・」

「逆に、それを食べると、通常の20倍、30倍力があがるんだぜ」

 

信勝、夏哉が稀血を持つ人間だとわかると、一転、鬼にするつもりが

”食料”として変換し

壁際の人たちに

「お前ら、早くこの夏哉を殺せー」

壁際の人たち戸惑うが

「さっさとそいつを殺さんと、お前らから喰い殺すぞ」

壁際の人たち、一斉に、夏哉の襲い掛かる

夏哉

「くそ!!!」

抵抗はするが、多勢に無勢・・・・・

 

・・・・・・・

 

あかねの一軒家

リビングで、あかね、父、母でテレビを見ながら

あかね

「あと一週間したら、結婚式か・・・・」

「明菜ねえちゃんのウェディング姿みたいな~」

「夏哉、30歳・・・」

「ついに結婚やな~、相手が明菜ちゃんで良かったで~」

「ほんまやで、明菜ちゃん料理巧いし、器量よしやからね~」

あかね

「あたいも、明菜ねえちゃんのようになれるやろか」

「そりゃ、あんた次第やわ~」

父わらい、あかね拗ねる

和気あいあいとしてたところを

 

ドアが叩く音がして

「明菜よ、あけてくれへん」

 

あかね、

「明菜ねえちゃんや、どうしたんやろ」

ドアを開けてみると

服が破れ、顔に痣ができ、身体中傷だらけの明菜の姿があった

涙を流し

「夏哉が・・・・」

驚愕する、あかね

 

・・・・・・・

 

鬼跋特務隊と共に、現場の倉庫に来た時には・・・・・

夏哉の首だけが、事務机の上に立たせておかれていた

 

明菜、ショックを受け

「夏哉~~~」

「うわ~~~~」

夏哉の首を抱き、号泣した

 

無理についてきたあかねも

歯を食いしばり

「なんで、お兄ぃが・・・・」

「こんな目に合わんといけんの?」

「あいつ、何で恩を仇で返す真似をしたんや」

「信勝の奴、ぜってに許さね~」

号泣したいが、憎しみの余り泣けなかった

 

つづく・・・・・